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10年前に五能線の無人駅に泊まった話

「もう駅は閉める時間だけど、あんたに鍵かしてあげるよ」と、おばちゃんは、なまった言葉と共に、僕にカギを渡してくれました。そしてなんと、朝ごはんまでご馳走になってしまいました。そんなほっこりするお話。

相模川の河口
[ Located in : 相模川の河口 2017年1月 ]
[ Camera : PENTAX K-5ii ]
[ Lens : PENTAX smc PENTAX-DA 18-55mmF3.5-5.6AL WR ]


僕の女神様

ちょっとだけフィクションもあるけれど、凡(おおよ)そ実話でございます。学生の頃は、ふらふらと鉄道旅行をすることが好きでした。青春18切符のシーズンになると、本当にあてもなく、ローカル列車に揺られていました。

青森県の日本海側、秋田県との県境にかけて、五能線という車窓が素晴らしい路線があります。その沿線に、青池っていう水が青く透き通って見える池があるんです。たしか十二湖駅で降りて、そこから歩くのかな?あんまり記憶が定かではありませんが、そんな感じだったと思います。

青池の観光を終えて、また十二湖駅から青森に向けて、列車に乗っていました。この時点で夕方の5時くらいでした。ふと思い立って、日本海に沈んでゆく夕陽を見たくて、どの駅だったか忘れちゃいましたが途中下車しました。まだスマートフォンなんてものは、普及していない時代で、本当になんとなく、あてもなく途中下車しました。

まぁ、想像はつくと思いますが、これが僕が駅に泊まることになったきっかけです。

青春の1人旅を満喫していた僕は、海岸まで30分くらい歩いていって、沈む夕日に何を想い重ねたのかは忘れてしまいましたが、とにかくその美しさに感動していました。流れゆく時間を満喫していました。太平洋側に住んでいると、海に向かって沈んでいく夕陽を見る機会なんて、そうそうありませんからね。

気がつけば時間は結構過ぎていました。そろそろ最終列車かなーと思って、ホームに戻ってみてびっくりします。あれ?もう最終は行っちゃったじゃん。まじかい。

これが人生で初めての野宿を覚悟した瞬間でした。まじかー寝るところないじゃん。

となると、駅で寝るしかないですよね。少し大きめの小屋のような駅舎には、なぜが座布団が何枚か置いてあったりとか、長文が書き込まれた旅のノートが置いてあったりとか、今思えば、結構寝泊りする人がいたのかもしれません。

電気のスイッチを何時になったら消していいのかどうか、そんなことを迷いながら、駅舎に1人座って、どうやって寝る場所を作ろうか考えていると、駅舎のドアがガラッと開きました。おばちゃんが表れたのです。

僕はかなり動揺しました。「あー、マジで野宿かー」見つかってしまったら、出ていくしかありません。なんとなく後ろめたい感じもありました。

おばちゃんは話しかけます。「あんた今日ここに泊まるのかい?」

僕は正直に答えます。「本当は青森まで出たかったんですけれど」

おばちゃんはさらに続けます。「そうかい。もう駅は閉める時間だけど、あんたに鍵かしてあげるよ。」

ん!?良いんですか?そんな展開ってあるのかしら。僕にはそのおばちゃんが女神様に見えました。おばちゃんはそういうと、椅子だとかテーブルだとか、そういったものを並べ替えて、座布団を並べたりして、こんな感じでここに寝るといいよって、寝床の作り方まで教えてくれました。

僕にはそのおばちゃんが女神様以外の何者にも見えませんでした。

女神様は言います。「始発の前には起きるんだよ。カギを受け取りにくるから。」

やっぱり旅は良いなー。と思いながら、気がついたら寝ていました。夕飯も食べられず、風呂にも入ってないけれど、トイレがあって、水が飲めて、屋根がありました。最高じゃないか。幸せだ。

何より僕には女神様がついていました。

翌朝、目が覚めると朝の4時でした。あー腹減ったなーって思いながら、駅舎でぼけーっとしていると、昨夜のおばちゃんが表れました。

「あんた朝早いねー。最近の若者にしちゃぁ上出来だね。」なんてそんな言葉をかけてくれたかどうかは分かりませんが、なんと朝ごはんを作って持ってきてくれたのでありました!!

「昨日の夜から何にも食べてないんだろ?これ、朝ごはんに食べなさい。あとこの水筒にお茶が入ってるから。」

え?水筒まで良いんですか?

「あんたみたいに、駅に泊まった人が忘れていったのさ。そのうちどこかで、誰かに返してくれればそれでいいよ」

やはり、僕には、おばちゃんが女神様に見えました。始発の列車が来るまでに、おにぎりとお漬物を食べました。これがまた、めちゃくちゃおいしかった。

あれから10年。あのおばちゃんはまだ元気かな?今日も、駅の戸締りと、僕みたいな突然のお客さんの女神様を、続けているのでしょうか。

この場を借りて、お礼を申し上げます。僕が、鉄道旅行をさらに好きになった出来事の1つでした。ありがとうございます。



撮りに行きたいね。



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