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風の歌を聴け - 01(水色の読書感想文)

風の歌を聴け(水色の読書感想文)

風の歌を聴け

『 風の歌を聴け 』 01
水色の読書感想文シリーズ

この記事は、2016年の12月に(すなわち1年以上前)サクッと書き上げて、それからしばらく掲載していたんだけど、なんだか嫌になって下書きに戻したもの。をもう一度練り直して再構成したもの。であって、かなりキザッタイのでご用心。

村上春樹さん(以下、尊敬しつつも敬称略)の小説『 風の歌を聴け 』には、デビュー作とは思えないような素敵な冒頭部分が存在する。その中に、僕が大好きな1文がある。困ったとき、迷ったとき、しんどいとき。僕はいつもこの1文を振り返る。

『 風の歌を聴け 』を含む「羊三部作」と『 ノルウェイの森 』に関するネタバレ有り。

僕が救済された小説
『 風の歌を聴け 』

ブックオフで100円で手に入れた村上春樹の小説『 風の歌を聴け 』には、「 昭和57年7月15日第1刷発行 」「 昭和59年4月27日第7刷発行 」と印されている。定価220円。カバー装画は佐々木マキさんであり、当時は講談社文庫より出版されていた。

この記事を書いている今は2016年12月19日。昭和57年は西暦に換算すると1982年。

おろそしく古い。

この本は、村上春樹1作目の長編小説となり、のちに「 羊三部作 」として知られるシリーズ物語の1作目でもある。その1作目の序章は、主人公である僕という登場人物の俯瞰(ふかん)的目線による文章に対する考察から幕を開ける。

この冒頭部分に、僕がとても大切にしているその1文が含まれている。

僕たちが認識しようと努めるものと、実際に認識するものの間には深い淵が横たわっている。

『 風の歌を聴け 』

一見するとなんの変哲もないこの1文に、僕は完全にやられた。僕の人生に対する解釈は、この文に出会ったことで大きく揺れ動く。

この文章を最初に読んだのは、僕がまだ高校生のときだった。友達は少なく、通学のおともは読書とMDウォークマン。当時、この1文はただの序章の中に含まれる、ただのなんの変哲もない1文にすぎなかった。

村上春樹といえば『 ノルウェイの森 』といった流行があって、読書青年であった僕も『 ノルウェイの森 』を手にしたのだが、当時の僕には(そして今の僕にも?)重ねてきた場数が少ないのか?ディープな恋愛をしていないのか?はたまた死することに対する認識が足りなかったのか?その意味はさっぱり分からなかった。

せっかくだし、もう1作くらい村上春樹に触れてみようと手に取ったのが、この『 風の歌を聴け 』だった。こっちは当時の僕にもすんなり読めた。

『 ノルウェイの森 』は、簡単に俗っぽく表すならば、「 濡れない女と恋愛こじらせ太が奏でる不思議な世界観 」であって、『 風の歌を聴け 』は、「 かっこいいハードボイルドな男の冒険物語 」であった。

読んでいてとても楽しかった。

世の中に対して斜に構え、やんちゃで、女にあふれ、酒におぼれ、ナルシストな大学生にあこがれていた高校生にはぴったりのテーマであったといっても過言ではない。

そして僕は村上春樹のファンになった。1作目である『 風の歌を聴け 』から順番に、彼の小説をすべて読破した。そして、すべてを理解したつもりになっていた。(つづく

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・読もう!ひつじ三部作・

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